搬送装置は工場の製造ラインには欠かせない装置です。
搬送装置を導入することで大きなメリットを得ることができます。
しかしながら搬送装置の種類は多岐にわたり、どれを選べば良いか悩まれる方も多いのではないでしょうか。
本記事では搬送装置の種類とメリット、導入する時の注意点について解説します。
目次
Toggle1.搬送装置とは
搬送装置とは、工場の製造ラインで材料や製品をある場所から別の場所へ移動させるための装置です。
これにより、生産効率の向上、作業者の負担軽減、時間とコストの削減など多くのメリットが生まれます。
2.搬送物によって搬送方法は大きく異なる
搬送方法は搬送物の種類や形状、重量などによって大きく変わります。
例えば、大きな部品や重たい部品を運ぶ場合は、堅固で大きな荷重を支えられる搬送装置が必要です。
一方、小さな部品や軽量の製品を搬送する場合は、高速で精密な動きをする装置を選択すると効率的です。
3.搬送装置の機能
搬送装置には以下のような多様な機能を持っています。
移動 | 材料や製品をある一定の場所から別の場所へと移します。移動の中には重量物や大量の物を持ち上げる「運搬作業」、製品をトラックやコンテナに積み込み、もしくは取り出す「積込/降し」、また製品を持ち上げたり降ろしたりする「持上/降し」なども含まれます。 |
仕分け | 複数種類の材料や製品を、基準に従って分類します。 |
収納 | 物品を整理して収納します。 |
ソート(整列/並び替え) | 物品を特定の順番や位置に整理します。 |
組立サポート | 製品の組み立て工程を補助します。 |
これらの機能を組み合わせることで、多様なニーズに応じた搬送・生産ラインの最適化が可能となります。
4.搬送装置の種類とメリット・デメリット
メリット | デメリット | |
コンベアタイプ | 連続的な搬送が可能で効率的。 一度に多くの製品を運べる。 |
曲がり角や分岐に成約があるため、レイアウト変更が難しい。 |
天井走行タイプ | 地上スペースを占有しないため、作業空間の有効利用が可能。 | インフラ整備やメンテナンスが必要。 |
電動シリンダータイプ | 精度の高い直線運動が実現可能。 単純操作の再現性が高い。 |
複雑な動きには不向き。 |
産業用ロボットタイプ | 多軸の自由な動きができる。 プログラムによる柔軟な搬送・作業が実現可能。 |
導入コストやプログラミングが必要。 |
無人搬送車タイプ | 自動で物品搬送が可能。 労力の削減と作業効率の向上が期待できる。 |
初期設定や、障害物との衝突を回避する必要がある。 |
ウエハ搬送ロボットタイプ | 高度な精度と繊細な操作が可能で、ウエハを安全に移動させられる。 | 搬送過程での微細な振動や衝撃が品質に影響を与える可能性がある。 |
専用機械タイプ | 特定の作業や条件に特化して最適化されているため、高効率。 | 他の用途への適応が難しく、導入コストが高くなる可能性がある。 |
その他(パーツフィーダなど) | 小さい部品の取り扱いや、高速での整列が可能。 | 特定の部品や形状に特化している場合が多く、適用範囲が限定的。 |
5.搬送装置導入の際の確認事項
5-1.現状把握
搬送装置を導入する前に、実際の現場の運用状況を把握することが重要です。
まずは、搬送に求められる速度や頻度について確認をしましょう。また、装置を設置するためのスペースの大きさや形状、既存設備の配置なども詳しく調査します。加えて、現行の製造経費や運用コストを明確にし、新しい装置の導入による経済的効果の検証も行います。
5-2.依頼するために必要となる情報
搬送装置の製造や設置を業者に依頼する場合、必要な情報を明確にしておきましょう。
タクトタイムや、使用するフロアスペースのサイズや形状など、具体的な情報を洗い出しておくことが必要です。
また、予算の上限についても明確にしておくと良いでしょう。
5-3.スペースの確認
導入予定の装置の大きさや動作範囲、周辺の設備や作業スペースなど、細かく確認することが必要です。
また、今後レイアウト変更や拡張することを考慮して、余裕を持ったスペースを確保することも重要です。
5-4.教育、保守、メンテナンスの必要性
搬送装置の導入後、適切に運用するためには、作業者の教育や定期的な保守、メンテナンスが不可欠です。
教育を通じて、装置の正しい操作方法やトラブル時の対応を習得することが求められます。
また、定期的な保守や必要に応じたメンテナンスも必要です。これらに伴うコストや人材の確保なども事前に計画しておきましょう。
6.搬送装置の適切な選び方
6-1.スペースを確保できる場合
空間の制約が少ない場合、大型の搬送装置の導入が可能です。
これにより、大量かつ大きな製品を一度に搬送できます。また、生産ラインや物流の変更にも迅速に対応できるといったメリットもあります。
6-2.搬送距離が長い場合
長距離を搬送する際には、ベルトコンベアや自動搬送車(AGV)などが適しています。
さらに、作業者の負担軽減やエネルギー効率の観点からも、適切な装置の選定が重要です。
6-3.重量物を動かす場合
重量物を搬送したい場合、その荷重に耐えられる強度や耐久性を持つ装置を選定しましょう。
クレーンやフォークリフトといった、専用の搬送装置が必要となる場合が多いです。
また、安全性の確保のためにも、安全装置やブレーキ機能を持った装置の選定が求められます。
6-4.専門業者に相談(複数)
搬送装置の選定には専門的な知識が必要となる場合が多いため、複数の専門業者に相談することを推奨します。
また、導入後のアフターサポートやメンテナンスについても、事前に調整しておくことで、長期的な運用をスムーズに行うことが期待できます。
7.専門業者の選定方法
7-1.実績が豊富であること
業者のこれまでの実績を見た上で、信頼性や技術力の判断をしましょう。特に、類似条件での導入実績がある場合、その経験を活かして適切な提案を行ってくれる可能性が高いです。具体的な導入例や成功事例、顧客の声などを確認し、業者の経験値を把握することが重要です。
7-2.提案内容が丁寧であること
現場のニーズや課題をしっかりと捉え、それに対応する最適な搬送装置やシステムを提示してくれる業者を選びましょう。また、提案内容には明確な根拠やデータが示されていることが理想的です。
7-3.コミュニケーションがうまく取れること
装置を導入した後に、問い合わせやメンテナンスを要望する場合もあります。その際、業者とのコミュニケーションがスムーズに取れるかどうかが重要です。初めの打ち合わせや交渉段階で、業者の対応が迅速かつ明確であるか、コミュニケーションの質を確認することを推奨します。
8.名古屋精工の実績
名古屋精工は、多品種少量生産を実現するためのさまざまな専用機を製造してきました。主な事例を紹介します。
9.搬送装置でお困りでしたら、名古屋精工にお任せください
名古屋精工の強みは、1957年の創業以来培われた経験豊富な製造ノウハウ、急ぎの案件に対応できる柔軟性、構想設計からメンテナンスまで一貫対応が可能な点にあります。多業種に対応し、工程改善や品質安定化といった課題解決に取り組んでいます。また、直接現場を訪問してお客様の声を聞き、リードタイム短縮に努めています。専用機の改造や追加設備との連携もスムーズに行えるため、将来起こり得る変更や不具合にも柔軟に対応できます。