エンジンヘッドを検査する工程の工程間搬送と姿勢を変える装置
姿勢変換とは
工場などで重量物や部品を扱う作業において、作業員が扱いやすいようワークの姿勢を自動で調整したり、作業者の負担を軽減したりする装置です。主に、重量物の持ち上げや向き変え、部品の組み立て・加工などの作業時に用いられます。
装置詳細
機構 | 機能 | 画像 |
装置全体 | 大型エンジン生産ラインに於いて、ワーク(エンジンヘッド部)加工ラインより検査工程へ引き込む「搬送部」と、引き込んだ後に目視検査・寸法検査のためにワークをロール方向に回転する「姿勢変換部」により構成されます。 | |
搬送部 | 加工ラインより抜き打ちでワークを引き込みます。 コンベア下部のスライド機構で一旦ラインと切り離し後、90度水平ターンし、姿勢変換部へ送り込みます。 |
|
姿勢変換部 | ワーク把持部がチェーン駆動によりロール方向に120度回転します。オペレータはボタン操作により任意の角度で回転を止めることができます。
作業者により目視・寸法検査を実施、OK品は前段の搬送部へ戻します。 |
ワーク概要
エンジンヘッド
1000mm×300mm×100mm 重量 120kg
お客様の要望
- 重量物搬送の簡便性と安全の確保
120kgもの重量物を容易に搬送・あらゆる角度で観察可能としたい。
一方で、検査時の挟まれなど、作業者に対する安全を確保したい。 - 複数品番に対応する柔軟性
段替えレスを基本とし、しかも精度よく位置決めさせたい。 - センサー・機器類の耐久性
クーラントに対する防水・耐油性、耐衝撃、耐摩耗性を確保したい。
弊社からの提案
- 作業者による側面検査に邪魔なガイドを可倒式とし、視認性を向上する。
- 安全性の確保と作業性の向上を両立するため、カバーの一部を可動式にする。
- シリンダにより片側寄せとし、サイズが異なるワークも段替えレスで対応する。
- 旋回、ローラー駆動モーターを搬送レベルより上部に配置することにより、クーラントの影響を受けにくい構造とする。
- 旋回機構は比較的シンプルなチェーン駆動とし、構成部品点数を減らすことで検査時のワークへのアクセスを向上させる。
- 搬送部は可動ガイドと光電センサーにより、大きさの異なるワークの混流と判別を可能とした。
弊社からの一言
導入時、3種品番に特化した装置でしたが、その後のアップデートにより多品番への展開が可能となりました。