ロボット自動化ガイド:種類、注意点、メーカーの選定方法

ロボット自動化は、さまざまな製造業において重要です。今回は、ロボット自動化の基本的な定義と種類、自動化する際の注意点、そしてメーカーの選定方法について解説します。ロボットを導入すると、生産性の向上や効率化が期待できます。注意するポイントに気を付けてスムーズにロボット自動化を実現しましょう。

ロボット自動化は、機械やソフトウェアによって人の作業を置き換えるプロセスです。
自動化によって、生産性向上や作業の負担を軽くできます。

ロボット自動化は、産業用ロボット、サービスロボット、自動化システム(FAシステム、IoT、AI技術)などさまざまな形で実現されています。

2.ロボットの定義

ロボットは物理的な仕事や課題を自動的に実行するためにプログラムされた機械または装置であり、人の代わりに作業をします。

一般的には、センサーやアクチュエータを備えて自動で作業する機械を指します。
ロボットは工場の組み立てラインでの作業や、電子部品のはんだ付けを行う産業用ロボットなど、さまざまな分野で利用されています。

3.名古屋精工の実績紹介

名古屋精工ではさまざまな自動化実績があります。おもな実績を簡単に紹介します。

垂直多関節

・デパレタイズハンド/デパレロボット

パレット上に積まれた紙袋をロボットに装着したハンドにて吸着・移載する装置です。

実績の一例として、紙袋デパレタイズロボットでは、25㎏もある紙袋を人手で1袋ずつパレットから取り出して開袋機へ移載していたのを、真空吸着ハンドを搭載したロボットで自動搬送することで省力化出来ました。

吸着が不安定な場合、製品が脱落・落下しても、二次的機構として製品を抱え込むクシ状のハンドを設けました。

・自動車部品組立装置、ボール圧入装置

マニホールドブロックのパス穴にボール(鋼球)を圧入・打込む装置です。

手作業でマニホールドブロック(110mm×100mm×27mm)のパス穴にボール(φ5鉄球)を圧入することは、労力を要し危険を伴う作業のため、圧入作業にはサーボプレス桟を使用し、マニホールドブロックの姿勢変換には多関節ロボットを使用した事ことにより、作業の自動化と労力の軽減、そして安全性と安定性を確保することができました。

・ホース曲げロボット

樹脂のホースを加熱して、型に沿って曲げるロボットです、人手で作業を行うと、品質が均一にならないという問題を解決しています。

ホースを曲げ易くするためにホースを200℃まで加熱処理する必要があり、人の手では作業不可能な状態をロボットにメカチャックを搭載しホースを把持させることで、ホース曲げを可能にし、製品均一化が出来ました。

直行

・ワーク印刷機

搬送治具にセットされた円柱状ワーク(樹脂製、Φ4㎜xL10㎜)の底面と側面に、スタンプ式印刷機で識別番号を転写し、最終工程でUV照射を施しインクを硬化定着させる装置です。

移載部のガタ付きによる印字ズレを解消し、繰返し精度を確保するために、くさび形のはめ込み機構(移載部と基台を正確に固定することでガタ付きを防止します)ロボシリンダの導入(移載部を微調整することで、印字位置を正確に保持します)で解決できました。

4.ロボット自動化のメリット、デメリット

ロボット自動化のおもなメリットを解説します。

IoTとの連携

・生産性の向上
ロボットは、同じ作業を繰り返します。休憩時間が不要で深夜も作業を進めることができるので、1日当たりの生産量が向上します。

・品質の向上
ヒューマンエラーが少なく、精度の高い作業が可能です。また、品質のばらつきがなく安定します。

・過酷な作業環境に適応できる
暑い環境や寒い環境でも安定的に作業できます。また、騒音、光、ガスなどが発生する過酷な環境でもロボットは作業できます。

・人件費削減
高度な精度が要求される作業でも、ロボットは一貫した品質を維持できます。これにより、人が行う作業ミスや再作業にかかるコストを削減することができます。さらに、危険な作業をロボットに任せることで、労働者の安全を守りつつ、長期的には人件費を大きく節約し、企業の競争力を向上させることができます。

・計画通りに生産できる
ロボットは人間と異なり、一貫した性能で連続的に作業をこなすことができ、ヒューマンエラーを減少させます。これにより、製品の品質を一定に保ちながら、納期を守ることが容易になります。ただし、ロボットにも故障するリスクが存在します。故障が生じた場合、生産ラインに大きな影響を及ぼす可能性があるため、定期的なメンテナンスやトラブルシューティング体制の整備が不可欠です。これらを考慮し、適切な運用管理を行うことで、ロボット導入のメリットを得ることができます

一方で、デメリットもあります。
・導入コスト
ロボット自動化をするためには、装置の導入コストがかかります。また、柵を取り付けるなどの安全対策や工程レイアウト変更などにもコストがかかる場合があります。

・技術力
ロボットに期待通りの動作をさせるためには、初期設定が必要です。ロボットの種類によってはプログラミングの知識が必要な場合もあります。また、想定外の故障や動作不良などが発生した場合、専門知識が必要となります。

・スペース
製造業においてロボットを導入する際、人手作業に比べて広い作業スペースが必要とされることが一つのデメリットとなります。ロボットは多くの場合、その大きさと機動性から広い範囲を必要とします。また、ロボットの動きには一定のマージンが要るため、安全確保の観点からもスペースが必要です。これにより、既存の工場レイアウトを変更する必要が生じ、それがコストや生産性に影響を及ぼす可能性があります。

・メンテナンス時の人手
ロボットを導入しても完全に人手をなくすことはできません。初期設定やメンテナンス時、不具合発生時や、ロボットハンド交換時など人手が必要となる場面があります。

5.ロボット自動化の注意点

ロボット自動化を導入する際のおもな注意点を解説します。

ロボットでどの作業を自動化したいのか、目的を明確にする

導入の目的や具体的な業務プロセスの自動化を明確に定義することが重要です。
具体的な目標を設定することで、コストや導入時期などの計画を立てられます。

設置スペース(フロアスペース、天井高さ、床の強度、搬入経路)

ロボットを設置するためのスペースを検討する必要があります。
フロアスペースの確保や天井の高さ、床の強度などを考慮しましょう。
また、ロボットの搬入経路や作業スペースも確保するようにします。

設備導入にかけられる予算を検討する

ロボット自動化の導入には、イニシャルコストとランニングコストがかかります。
事前に現在掛かっている費用を算出して、費用対効果 を確認しておきます。

導入時期/計画を設定する

ロボット自動化の導入時期や計画を設定することが重要です。
既存の生産ラインの停止と切り替え時期などを考慮し、スムーズに導入できるようにします。

運用、社員教育、効果測定、改善

ロボット自動化システムの運用、社員の教育、効果の測定、および継続的な改善が必要です。
適切なトレーニングと運用体制を整え、ロボット自動化システムをうまく活用しましょう。

安全性と法規制

ロボット自動化の導入には安全性の確保も重要です。
労働安全衛生法に従って適切な安全対策を講じる必要があります。

6.ロボット自動化の種類

ロボット自動化には、さまざまな種類があります。おもな種類について解説します。

産業用ロボット

産業用ロボットは、製造業の工場などで使用されるロボットです。
産業用ロボットは、製品の組み立てや搬送、溶接、塗装、機械加工、検査などさまざまな作業を自動化できます。

サービスロボット

サービスロボットは、人の代わりにサービスを提供するロボットです。
例えば、清掃ロボットや配達ロボットなどがあります。
サービスロボットは、高所での危険な作業や、過酷な環境での清掃などができるので、労働力不足の解決につながります。

自動化システム(FAシステム、IoT、AI技術)

ロボット自動化には、工場全体の生産プロセスを効率化するための自動化システムも含まれます。

FA(Factory Automation)システム、IoT(Internet of Things)、AI(Artificial Intelligence)技術などが活用されます。これらの技術がデータの収集・解析を自動で行うので、生産性向上やミスのない品質管理につながります。

特に、AI技術の進歩は驚異的で、AIを取り入れた画像認識による外観検査の用途や、力覚センサーのデータをAIで学習させて繊細な力のコントロールが求められる作業の自動化など、様々な領域でその可能性が高く評価されています。

7.産業用ロボットの種類

おもな産業用ロボットを解説します。

垂直多関節

垂直多関節ロボットは、人の腕のように関節を持ち、自由度の高い動作が可能です。
垂直多関節ロボットは、ロボットアームが地面に対して垂直方向に動きます。
関節の数が多いほど複雑な動きができ、ワークの搬送や組み立て、加工、溶接、検査などさまざまな工程に対応できます。

スカラ(水平多関節)

スカラロボットは、直線的な動きをするロボットです。
水平多関節ロボットともいわれます。
地面に対して水平方向に移動し、ワークの搬送やネジ締めなどの組み立て工程で使われます。

協働

協働ロボットは、人と一緒に作業できるロボットです。
ロボットが人と協働するには高い安全性が必要です。
協働ロボットは、センサーが組み込まれていて、人が近づいたら動作をゆっくりにしたり停止したりする制御が可能です。

協働ロボットは、安全柵を必要としないため省スペースに設置できる特徴があります。

出展:川崎重工業株式会社ホームページ

直交

直交ロボットは、複数のスライド軸で構成されているロボットです。
スライド軸上を直線的に移動し矩形の作業領域内で動作を行います。

ワークの搬送や基板のネジ締めなどの組み立てを行うことができます。

パラレルリンク

パラレルリンクロボットは、複数のリンクを並列に配置して構成されるロボットです。
精度がよく、高い耐荷重、高速で作業可能といった特徴があります。

パラレルリンクロボットは、複数のリンクを連携させて動作するため作業領域はリンクの大きさに依存します。

8.メーカーの選定方法(自動化システムを作る場合)

ロボット自動化の導入においてメーカーを選定する際のポイントを解説します。

システムインテグレーターに依頼する

ロボット自動化システムの導入は、専門的な知識と経験を持つシステムインテグレーターに依頼する方法があります。
システムインテグレーターは、設計から導入までのプロセス全体をサポートしてくれます。

信頼性と実績を確認する方法

メーカーの信頼性と実績を確認しましょう。
ウェブサイトに過去の実績や顧客の評価、参考事例が載っている場合があるので、事前に確認します。

提案力と技術力の評価基準

メーカーの提案力と技術力も重要な評価基準です。
自社の困りごとを正確に認識できているか、具体的な仕様書を提示できているか、導入計画や導入後フォローについて提案できているかなどを確認します。

アフターサポートと保守の重要性

長期的に安定して製造工程を自動化するためには、ロボット自動化システムのアフターサポートや保守は大切です。
メーカーが適切なサポート体制を持ち、保守が可能か確認しましょう。

9.名古屋精工の強み

豊富な実績

名古屋精工は年間200台以上の自動化装置を製造してきました。
製造業の生産性を向上させるために、お客様の課題に合わせた最適な専用機を設計し製造できます。

小型システムから大型システムまで幅広く対応

治具などの小型システムだけでなく、多機能な大型専用機にも対応できます。
業界問わず、自動化できる工程であれば貢献できます。

複雑なシステム構築にも対応

ロボットを含む複雑なシステム構築にも対応できます。
名古屋精工は、構想設計だけでなく、試運転調整、据え付け、メンテナンスまで一貫して対応できるので、複雑なシステムでも安心してお任せください。

名古屋精工の強みは、1957年の創業以来培われた経験豊富な製造ノウハウ、急ぎの案件に対応できる柔軟性、構想設計からメンテナンスまで一貫対応が可能な点にあります。多業種に対応し、工程改善や品質安定化といった課題解決に取り組んでいます。また、直接現場を訪問してお客様の声を聞き、リードタイム短縮に努めています。専用機の改造や追加設備との連携もスムーズに行えるため、将来起こり得る変更や不具合にも柔軟に対応できます。

10.ロボットを活用した自動化をお考えでしたら、名古屋精工にお任せください

名古屋精工は専用機の設計製造はもちろん、ロボットを使った製造の自動化にも対応できます。

川崎重工業株式会社様とロボットシステムパートナー契約を結び、ロボットを使った大規模な自動化にも対応できます。

ロボットを使った自動化のことでお困りでしたら、お気軽にご相談ください。