ロボットを使った専用機 工程の改善事例 段替えレスの実現事例 安全性の向上事例 把持機能付き(ロボットハンドなど)

デパレタイズハンド

デパレタイズハンド

デパレタイズハンドとは

デパレタイズハンドとは、パレットに積み上げられた荷物を自動で取り出すためのロボット用ハンドです。
パレタイズが荷物を積みつける作業に対して、デパレタイズは荷物を降ろす作業を行います。

デパレタイズハンドの主な役割
・パレット上の荷物の位置と姿勢を認識する
・荷物を把持する
・荷物を安全に持ち上げ、所定の位置に運搬する
・荷物を落下させないようにする

デパレタイズハンドの種類
デパレタイズハンドは、方法や構造によって様々な種類があります。
ここでは荷物(ワーク)の持ち方3種を紹介します。

  • 真空式:真空ポンプで負圧を発生させ、荷物を吸着します。
  • グリッパ式:先端にグリッパーと呼ばれる把持部を備え、荷物を挟んで把持します。
  • 抱え込み式:フォークや爪と呼ばれるアームで、荷物を抱え込みます。

デパレタイズハンドは、食品、飲料、医薬品、自動車部品など、様々な業種で幅広く使用されています。

装置概要

このデパレタイズハンドは、紙袋を吸付けるための「吸着部」と移載時に紙袋の落下を防ぐ「アーム部」で構成されております。
吸着部には真空グリッパを採用しており、軟性のスポンジ製パッドにより凹凸や変形のある製品に追従して吸着することができます。また、材料袋などの大袋やシュリンクしたペットボトル・段ボール等の吸着運搬にも適しております。
アーム部は「開閉式」で吸着後に閉じますが、製品には接触しません。移載時に吸着不良で万が一製品が落下しても抱え込んで落さない構造となっており、製品の破損を軽減し破裂を防ぐことができます。

製品概要

紙袋(クラフト紙:中身=粉体):最大800mm×450mm×160mm 重量30kg

お客様からの課題と要望

製品は真空式で吸着しているが、製品の姿勢によるシワや段差で吸着面の状態が不安定だと吸着不良になってしまいます

吸着が不十分な状態で移載すると脱着の恐れがあり、また、製品が破損したり破裂してしまいます。製品に粉体も多く、破裂は製造工程に多大なる影響を及ぼします。
これらを解消するために、吸着不良の軽減と脱着時の対策をしてほしい

弊社からの提案と技術的ポイント

  1. 製品の姿勢によるシワや段差で吸着面の状態が不安定でも、真空グリッパのスポンジ製パッド取付部にフローティング機構を取入れることで馴染みやすくし、吸着性能を向上させました。
    移載中に揺動して脱着の要因となるフローティング機構には、ロックする機構を設けて対策しております
  2. 吸着の際にはスポンジ製パッドを製品に押付けるが、押付け過ぎるとパッドの消耗や劣化、製品の変形や破損となるため、着座確認SWを装備して消耗軽減と品質向上を図りました
  3. 二次的な落下防止機構の開閉式アームはアルミ材を使用してクシ状とすることで軽量化させ、ロボットへの可搬負荷を軽減し、移載速度を向上させました

弊社からの一言

二次的な落下防止機構については、仕様に応じてオプション選択が可能です。