作業を自動化するときの方法とポイント

名古屋精工は昭和32年の創業以来、東海地区のお客様を中心に生産設備の製造に携わり、お客様のニーズに合わせた専用機を開発し続けてまいりました。手作業の自動化、作業者の負担軽減、検査の自動化、搬送の自動化など、さまざまなご要望に応えながら、期待を超える設備の開発を目指しています。

作業の自動化に関するお悩みがございましたら、お気軽にご相談ください。

自動化とは/目的は何か

作業の自動化とは、従来手作業で行っていた工程を機械やコンピュータなどのシステムによって代替することです。
作業の自動化には、生産性向上や品質の向上、人材の有効活用、ミスの防止、安全性の向上などさまざまな効果があります。特に、競争が激しい現代社会においては、作業の自動化は企業の競争力を高めるために重要です。

2.作業自動化のメリット

生産効率の向上

自動化により、作業にかかる工数が大幅に削減されます。

自動化により、作業にかかる工数が大幅に削減されます。
人が作業する場合は、疲労やモチベーション低下などの理由で作業の効率が一定ではありません。しかし、機械やロボットなどのシステムは一定に高い生産性を維持することができます。

実績の一例として、ボール圧入装置をご紹介します。
この装置では、ワークに多面の圧入箇所があるため、姿勢の変換は多関節ロボットで行い、力を要する圧入はプレス機で行うことで、作業者の負担を軽減し、生産効率の向上を図っております。

実績|自動車部品組立装置・ボール圧入装置

標準化による品質と生産の安定

機械やロボットによって自動化された作業は高い精度と安定した品質を確保できます。人の手による作業は、ばらつきが生じる可能性があり、作業時間や品質が安定しない場合があります。しかし、自動化により作業が標準化されるため、作業の品質と生産量が安定します。
また、作業時間の短縮やプロセスの効率化によって、タクトを短縮できるメリットもあります。

実績の一例として、樹脂部品組立検査治具を紹介します。
この装置では、作業者が見落としがちな微量な勘合の誤差をフォトマイクロSWを用いて検知します。比率式のリンク機構により微量な誤差を拡大して検知することで見落しが「ゼロ」となり、品質と生産の安定を実現しております。

実績|樹脂部品組立検査治具

人材の有効活用

作業の自動化により、単純な作業が機械によって代替されます。その結果、従業員はより高度な業務に集中できるようになります。
自動化によって空いた人材を別の生産工程や他部署に配置することで、企業全体の生産性と競争力を高めることができます。

実績の一例として、ワーク移載装置を紹介します。
この装置では、ストック機能付きの等間隔自動搬送により、作業者がまとめてワークの供給や回収をすることができます。これにより、一時間程度は作業者を他の業務に配置することができ、人材の有効活用に役立っております。

実績|ワーク移載装置

人的ミスを防げる、ミスの防止

人による作業は、ヒューマンエラーがつきものです。
しかし、自動化により、機械システムが確実に作業を実行するため、ヒューマンエラーを防ぐことができます

実績の一例として、検査架台を紹介します。
この装置では、成形後のリング状ゴム製品の外観にバリや傷がないか、カメラ画像を用いて検査します。従来の目視検査からカメラ画像での検査をすることで、人的ミスをなくし、ミス防止につながっています。

実績|検査架台

安全性の向上

危険な作業や重労働を自動化することで、安全を確保し、労働災害のリスクを大幅に低減できます

実績の一例として、姿勢変換装置を紹介します。
この装置では、円筒形ワーク(径φ240mm/長さ1100mm/重量50kg)の姿勢を、エアシリンダの動力によって縦方向と横方向に自在に変換する機構を備えています。エアシリンダは動作速度が速く高い生産性を誇る一方で、万が一エア供給が途絶えた場合、意図せずワークが落下したり、シリンダが暴走したりする可能性があり、作業者の安全を脅かす恐れがあります。そこでこれらのリスクを回避するためにロック機構を備えたエアシリンダを採用したことで、安全性の向上を図りました。

実績|姿勢変換装置

3.自動化のレベル

治工具

半自動

全自動

作業の自動化には、レベルがあります。

まずは治具による簡易的な方法です。治具は特定の作業を補助するための機械システムであり、作業を効率化できます。

次に、半自動化があります。半自動化とは、機械やロボットで一部の作業を自動化し、人が残りの作業を行うシステムです。このレベルの自動化では、人と機械が作業工程をすみ分けて進めることが一般的です。

完全自動化は、全ての作業を機械やコンピュータによって代替します。完全自動化により、人の作業が不要なプロセスを実現します。

4.手作業から自動化への移行方法

まずは専門業者に相談しヒントを見つけましょう

作業を自動化する際には、専門の業者に相談することが重要です。
自動化にはさまざまな技術やノウハウが必要とされ、専門家のアドバイスを受けることで、具体的な計画を立てることができます。
専門業者は現場の把握や課題の洗い出しを行い、最適な自動化の提案をしてくれます。また、専門業者と共に検討を進めることで、企業独自のニーズに合ったシステムを構築することが可能です。
専門業者からの見積もりをもとに予算やスケジュールを計画しましょう。

5.作業の自動化を専門業者に相談する前に確認すべきこと

現状把握(サイクル/タクト/スペース/製造経費)

現在の手作業によるサイクルやタクト(作業間隔)、作業スペースの確認、製造経費などを詳細に把握しましょう。どの作業を自動化するか、どのレベルの自動化が適切かを判断検討します。

現状の状態が不明確だと、専門業者からの提案も抽象的なものになってしまいます。
より具体的な提案をしてもらうためにも現状はきちんと把握しましょう。

目標を明確にする

自動化によって何を達成したいのか、具体的な目標を明確にしましょう。
例えば、「時間をどれくらい縮めたい」「安全性を向上させたい」「どの工程をどこまで自動化したい」などです。目標が明確であれば、専門業者に具体的な計画を立ててもらうことができます。

専門業者選定の基準

作業を自動化する上で専門業者の選定は非常に重要です。最終的に決定するのは各社の提案を聞いてからになると思いますが、数十社も相談するわけにはいきません。そのため専門業者の選定基準について社内である程度確認することが大切です。

例えば、会社規模、場所、実績などホームページの情報でも十分選定基準を作ることができます。
特に重要視すべきなのは過去の実績です。一定の機種に特化している企業を選定するのもいいでしょう。また、多種にわたった実績があれば、既成概念に捕らわれないアイデアも期待できるでしょう。最終的には各社の提案内容を確認した上で、十分な検討をしてから選定先を決めましょう。

6.業者の選定方法

自動化の導入においては、信頼のある業者の選定が重要です。
業者の選定方法としては、以下のポイントに注意しましょう。

実績が豊富であること

自動化の導入は高度な技術とノウハウが必要です。
実績の豊富な業者は、成功事例や経験に基づいた最適な提案が期待できます。

提案内容が丁寧であること

自動化の導入は企画段階から丁寧に具体的な提案を行ってくれる業者を選定することで、具体的に自動化のイメージができます。

コミュニケーションがうまく取れること

自動化の導入は長期的な取り組みとなります。
業者とのコミュニケーションを円滑に行えることは、計画の進行やトラブル解決において重要です。

7.実績

名古屋精工ではさまざまな自動化を実現しています。
主な事例を紹介します。

姿勢変換装置

ワークの姿勢を縦向きから横向きに変換する装置です。
1日に何度もワークを持ち上げて姿勢を変えるので、作業者の足腰に負担がかからないように半自動化しました。

製品ストッカー

樹脂製のパレットを装置の上段にセットし、ワークが投入されたら自動で下段に進み段積みストックする装置です。
狭いスペースに収められるように装置を設計しています。作業者が腰を痛めることなくパレットを取り出せるようにしています。

クリップ組立治具

樹脂製のクリップで、L字の芯棒とコイル状バネを組み立てるための治具です。
樹脂の板とコイル状バネを手で保持しながら組み合わせるときに、手に大きな負荷がかからないように治具で半自動化しました。またL字芯棒挿入時に変形してしまう点も改善できました。
作業者が変わっても同じ組立品質となるように、工夫しています。

デパレロボット

名古屋精工_3

パレット上の紙袋(25㎏)を真空吸着ハンドで把持し、下流の開袋機へ供給するデパレロボットシステムです。
システム導入前までは、人が重量物を供給していたので、長時間の労働が大きな負担となっていました。また、手作業によって供給できる量にも限界がありました。
ロボットを導入し、社員の健康、安全と作業の生産性を改善しました。

樹脂部品組立検査治具

2つの樹脂成型品を組立後、勘合の良品判定をする装置です。
人が手で樹脂成型品を組み立てた後に、複数個所ある勘合部の不良を見落とす可能性がありました。押し込み棒を勘合部に接触させ、正しく勘合できていない場合にはフォトマイクロSWが誤差を検出します。

ワーク移載装置

作業者が投入したワークを1本ずつ加工機のローダー取り出し位置まで搬送し、加工後のワークを自動搬送しながらストックする装置です。
多品種に自動対応するために、QRコード読み取りでのワーク判別も可能です。

シート供給機

マガジンにセットしたシートを取り出して次工程へ供給する装置です。
マガジンのシート400枚は1時間程度でなくなり、そのたびに次工程の機械が停止します。
作業者がシートを供給することで再開しますが、ダウンタイムが発生し生産性が落ちます。
シート供給を自動化することにより生産性向上を実現できました。

8.作業の自動化をお考えでしたら名古屋精工にお任せください

作業の自動化は、企業の競争力を高めるために欠かせない取り組みです。自動化により生産性の向上や品質の安定、労働環境の改善などさまざまなメリットが得られます。
作業を自動化する際には、専門業者のアドバイスを仰ぎ、提案内容をしっかり把握することが重要です。実績豊富で提案内容の丁寧な業者を選定し、しっかりとコミュニケーションを取りながら計画を進めましょう。
作業の自動化をお考えでしたら、名古屋精工にお任せください。豊富な実績と経験を持ち、最適な自動化システムを提案いたします。
名古屋精工は、自動化の導入により、お客様の成長をサポートいたします。是非、自動化に関するご相談やお問い合わせをお待ちしております。