製造業にとって多品種少量生産は市場のさまざまな需要に対応するために重要です。
この記事では、多品種少量生産のメリットやデメリット、実現させるための方法や専門業者を選定する際のポイントについて解説します。
製造業の競争がますます激化する中で、多品種少量生産の導入は競争力を向上させる手段となります。
多品種少量生産を実現させるために、自動化を取入れることは必須と言っても過言ではありません。
目次
Toggle1.多品種少量生産とは?
多品種少量生産とは、一つの製品を大量に生産するのではなく、多くの異なる製品を少量ずつ生産する方法です。
顧客の個別ニーズに対応でき、在庫を削減させることができます。しかし、多品種少量生産は従来の大量生産とは異なる課題があるので、効果的な導入が求められます。
また、そもそも導入するために何をすればいいか分からないという場合もあります。
2.多品種少量生産を導入する場合はまず専門業者に相談しましょう
多品種少量生産を導入する際、まずは専門業者に相談することが重要です。専門業者は豊富な経験と知識を持ち、効果的な解決策を提供してくれます。
専門業者に相談すると、現在の製造工程について質問をしてくれるので、多品種少量生産へ移行するための課題を洗い出すことができます。課題を解決するためのアイデアも豊富なので、早く移行できます。
弊社も多品種少量生産用の専用機などを製造できますので、お気軽にご相談ください。
3.多品種少量生産の導入に関する課題とその解決策
主な課題と解決策を紹介します。
3-1.工程が複雑で何からしていいかわからない
多品種少量生産の工程は、大量生産と比べて複雑になる場合が多いです。
どの製品を、いつ、どのように生産するかを計画し、納期遅れ、品質確認などに気を付けなければなりません。
専門業者は、経験に基づいて生産プロセスの設計やスケジューリングに関してアドバイスをしてくれます。
3-2.コストが高くて導入が難しそう
多品種少量生産の導入には初期投資が必要であり、想像以上にコストがかかる場合もあります。
専門業者に目標とするコストを提示して相談しましょう。専門業者はコスト削減の方法を提案し、投資効果を最大化する複数のプランを提案してくれます。
例えば、自動化技術を活用して段取り替え工数の低減、人件費削減などを提案してくれます。
3-3.人材不足で運用が難しい
多品種少量生産を効果的に運用するには、熟練した作業者が必要です。しかし、人材不足が課題となることがあります。
工程を自動化できるか専門業者に相談して人材不足を補うことが重要です。自動化設備については定期的にメンテンナンスしてくれる企業かどうか確認しましょう。
4.専門業者の選定と相談方法
専門業者の選定と相談方法は重要なポイントです。専門業者の選び方と相談の進め方について説明します。
4-1.実績が豊富でフットワークが軽い企業を選定
専門業者を選ぶ際、過去の実績が豊富であることが重要です。
実績のある企業は、問題解決能力が高く、信頼性があります。また、フットワークが軽い企業は迅速な対応が可能で、スムーズにプロジェクトを進められます。
4-2.相談内容は事前にまとめておくとスムーズ
専門業者との相談の前に相談内容をまとめておくことが重要です。
具体的な目標や課題、要件を明確にし、専門業者に正しく伝えることで、効果的な提案や解決策を提案してくれます。
5.多品種少量生産で得られるメリット
多品種少量生産は、製造業においてさまざまなメリットをもたらします。
まず、製品の個別化による顧客満足度向上が挙げられます。また、在庫の最適化により、生産に必要な部品や消耗品の量を最小限に抑え、コストを削減できます。製造業にとっては、経済的なメリットとなります。
多品種少量生産を導入すると、急な注文にも対応しやすくなります。また、さまざまな製品を販売するため、売れなかった時のリスクを分散でき、事業の安定性が向上します。
ほかには、新しい製品やアイデアを素早く市場に導入することが可能となり、イノベーション促進につながるというメリットもあります。
6.多品種少量生産のデメリット
多品種少量生産にはいくつかのデメリットもあります。
まず、生産コストの上昇が挙げられます。形状や仕様の異なる製品を生産するためには、プロセスの複雑化や設備の調整が必要であり、生産コストが増加します。
製品ごとに工程の切り替えや設定変更が行われるため、生産効率が低下する場合があります。
また、多品種少量生産ではリードタイムが増加することがあります。複雑なサプライチェーンの管理が課題であり、さまざまな材料の調達が必要です。
新しい仕様の製品を短納期で開発するので、品質の管理が難しくなる場合があります。人手をかけて短納期で開発する場合は、人件費などコストにも注意が必要です。
7.多品種少量生産を行う上での注意点
多品種少量生産を行う上での主な注意点を説明します。
生産計画と調整が複雑化するため適切に生産スケジュールの調整やリソースの配分をする必要があります。
また、製品のバリエーションが増えると、部品の在庫管理を徹底しなければなりません。サプライチェーンの管理を行い、必要な部品を確保する必要があります。
品質管理と検査も重要な課題です。多品種生産では、各製品の規格を確認し検査をします。似たような形状であっても、規格が異なる場合があるので図面や仕様書をよく確認しましょう。
製品に付いているQRコードを読取ることで多品種を自動で判別して次工程に適切な情報を送る、という方法もあります。
(弊社実績のワーク移載装置:https://meisei-web.co.jp/case/2023-06-15/)
生産ラインを効率化するために、従業員のトレーニングも重要です。スキルアップのために定期的なトレーニングをするのも一つの方法です。
また、不具合や欠品情報などを素早く共有するための管理システムを導入し、さらに効率化をはかるといいでしょう。
また、さまざまな製品があるので、製品ごとの特徴やスペック、使い方などをうまく顧客に伝えるためのマーケティング活動も重要となってきます。
8.名古屋精工の実績
名古屋精工は、多品種少量生産を実現するためのさまざまな専用機を製造してきました。主な事例を紹介します。
ワーク移載装置
作業者が安全にワークを投入し、加工機まで自動で移載する装置です。
ワークの逆入れ判別や等間隔搬送、上下移載などの機能を有し、ポカミス軽減や生産効率と安全性を向上させます。
また、QRコードを読取ることでワーク判別を行い、多品種のワークを自動判別して、加工機に適切な情報を送ることができます。
デパレロボット
ロボットが、パレット上の25㎏の紙袋を真空吸着ハンドで把持して次工程に搬送します。さまざまな形状の荷物に対応できるように真空吸着で把持します。
自動車部品搬送装置・姿勢変換装置
エンジンヘッドを検査する工程の工程間搬送と姿勢を変える装置です。
3種類の100kg程度の重量製品を移載したり、前後や表裏の姿勢を変えたりすることは、危険も生じるため、装置化することで安全と安定を確保しました。
3種類の製品が混在するので、段取替えは手間の軽減や繰返しの精度を向上させた機構にしました。
製品のマイナーチェンジに対応するために、汎用性を持たせた設計も可能です。
インサート打抜装置
穴や形状を打ち抜く一般的な打抜装置とは異なり、結合された部品からひとつの部品を打ち抜き分解するための装置です。
具体的には、樹脂のギヤにインサートされたステンレスの軸を打ち抜く装置で、製品をセットするための「可動式位置決め台」と打ち抜くための「パンチ機構」で構成されております。
ワーク30種に対しては汎用性を持たせており段取り替えの必要はなく、作業性向上や生産性向上にも繋がります。
9.名古屋精工のこだわり
9-1.徹底的なヒアリング
名古屋精工は、実際に専用機を導入する現場に足を運び、現行の作業内容を確認し、お客様が改善を希望される作業内容について詳しくヒアリングさせていただきます。
9-2.徹底的なデザインレビュー
名古屋精工は、設計担当だけでなく、営業や製造部門も含むチームを組み、アイディアの出し合いからデザインの検討までを行います。
既存の設備との統合を考慮して設計を行います。製品に変更が加わった場合にも柔軟に対応できるようにし、メンテナンス性も確保できるかを検証します。
9-3.徹底的な生産管理
ISO9001に基づいた品質管理を実施すると同時に、ISO14001に基づいたCSR活動にも注力しています。
自社工場だけでなく、国内外にさまざまな協力工場を持ち、最適な品質、コスト、納期管理を行っています。
9-4.徹底的な動作確認
製品が実際に完成した段階で、徹底的な動作テストを行います。
使いやすさも評価できるテストを行います。
名古屋精工は、製品を使う人々の立場に立った製品開発を心がけています。
10.名古屋精工にお問い合わせください
名古屋精工は多品種少量生産を実現するさまざまなアイデアを提供できます。
専用治具や自動化装置、段替えレスなど多くの実績を持っています。
気になる方はぜひお気軽にご相談ください。