搬送コンベアとは?種類や導入する際の確認事項の紹介

搬送コンベアとは、工場や倉庫などで搬送物を効率的に移動させるための装置です。

工場や物流センターなどで広く利用されており、効率的に物品の移動や搬送をサポートします。コンベアは、ベルトやローラー、チェーンなどのさまざまなタイプがあり、用途や環境に応じて選ばれます。これにより、作業効率の向上や省人化、工程の自動化が実現されます。

2.コンベアメーカーとカスタマイズメーカーの違い

コンベアメーカーは規格品のコンベアを製造し、カスタマイズメーカーはそのコンベアをお客様の最終仕様に合わせて調整や改造を行う役割を担っています。

コンベアメーカーが製造するコンベアは、一般的な用途に対応するよう規格化されているため、比較的低コストで購入できます。しかし、機械への自動投入などの複雑な自動化までを請け負うことは少なく、自動化システムの一部としてコンベアを使用したい場合は、カスタマイズメーカーに依頼する必要があります。

カスタマイズメーカーは、単にコンベアを設置するだけでなく、顧客の要求に応じて生産工程全体の自動化を実現します。例えば、コンベアからワークをピックアップして機械に投入し、加工後は次の工程に流すという一連のプロセスを全自動化することが可能です。

名古屋精工はカスタマイズメーカーとして、お客様の自動化ニーズに対応しています。
自動化に関してお困りのことがございましたら、ぜひご相談ください。

3.搬送用コンベアの種類

種類 内容
ベルトコンベア ベルトコンベアとは、連続的に動くベルトを利用して搬送物を搬送するコンベアです。端から端へ搬送物を移動させるために、ベルトはローラーによって支えられているのが一般的です。ベルトの素材や構造は、搬送する搬送物の性質に応じて選択します。
チェーンコンベア チェーンコンベアは、連結された金属製のチェーンが搬送物を引っ張ることで動作します。重量物やサイズの大きな搬送物の搬送に適しており、耐久性が高い点が特徴です。
駆動ローラーコンベア 駆動ローラーコンベアは、一列に並んだローラーをモーターによって動かし、ローラーの回転によって搬送物を移動させます。ローラーが搬送物を均等に支持し、滑らかに動かすため、搬送で繰り返し発生する小さなダメージを最小限に抑えられます。
スクリューコンベア スクリューコンベアは、ねじ状のスクリューが中心軸に固定され、この回転によって材料を搬送します。粉末や粒状の物質の搬送に適しており、食品加工や化学工業で広く使用されています。
振動コンベア 振動コンベアは、振動を利用して小刻みに移動させるシステムで、特に粒の物質の搬送に適しています。少ないエネルギーで材料を移動できる点が特徴です。

4.搬送用コンベア導入のメリットとデメリット

メリット・デメリット 内容
メリット
  1. 大量の物を効率的に運搬できる
    搬送コンベアは、連続して大量の搬送物を一定の速度で移動させることが可能です。そのため、生産ラインの効率が向上し、時間あたりの処理能力が大幅に増加します。特に、製造業や物流業においては時間とコストの削減につながります。
  2. 人手や労力を大幅に削減できる
    搬送コンベアを導入することで、人が運ぶ必要が無くなり、労働者の肉体的負担が減少します。それに加えて、人件費の削減にもつながり、経済的な利益も期待できます。
  3. 安全性を向上できる
    搬送コンベアによって、人が重量物を運んで怪我をするリスクを排除し、職場の安全性を向上させます。また、機械化されることで手作業が減り、事故の可能性を低減できます。
  4. 作業環境を改善できる
    搬送が自動化されることで、作業場の混雑が減り、より整理整頓された環境を実現できます。これにより、作業員のストレスが軽減され、全体の作業効率向上が見込めます。
  5. スペースを有効活用できる
    コンベアシステムは、水平方向だけでなく、必要に応じて垂直方向にも搬送させることができます。これによって、限られたスペースを最大限に活用できます。
デメリット
  1. 設置コスト
    搬送コンベアの設置コストは、コンベアの種類や規模によって大きく異なります。特に、高度にカスタマイズされたシステムや広範囲にわたる搬送路の場合、初期投資が高額になる場合があります。
  2. ランニングコスト
    コンベアの運用には、動力源としての電気代が継続的に発生します。また、定期的なメンテナンスや消耗品の交換も必要であり、システムの稼働時間に比例して増加します。適切なメンテナンスを怠ると、予期せぬ故障や生産停止につながるリスクがあります。
  3. 導入スペース
    コンベアを設置するためには、適切なスペースを確保しなければなりません。特に、長距離搬送や複雑なレイアウトを採用する場合、大規模なスペースが要求されるでしょう。スペースに制限がある施設においては、大きな課題となる可能性があります。
  4. 汎用性
    コンベアシステムは、搬送物の種類やサイズ、距離や速度に応じた設計をしなければなりません。後からこれらの条件が変更された場合、システムの改修や再設置には多大な費用と時間が掛かります。
  5. 安全性
    安全性を十分に考慮した上でコンベアを設置する必要があります。重量物の搬送や危険物の取り扱いにおいては、落下による事故のリスク防止が必要です。また、巻き込みの対策として緊急停止ボタンや安全カバーの設置が必須です。安全対策を怠ることで、作業員の怪我につながるリスクが高まります。
  6.  騒音
    コンベアは運転中に騒音を発生させる可能性があり、特に高速で長距離を搬送する場合、騒音レベルは顕著になります。騒音は作業環境に悪影響を及ぼし、長期的には作業員の聴覚にダメージを与える可能性があります。
  7. 環境への影響
    コンベアシステムを動作するためには電力を消費します。この電力が化石燃料によって生成される場合、CO2などの温室効果ガスが排出され、地球温暖化の原因となります。

5.搬送用コンベアを導入する際の確認事項

  1. 搬送物の形状/大きさ/材質/重量
    搬送物の形状、大きさ、材質、重量はコンベアを設計する上で重要な要素です。これらの特性に合わせたコンベアを選択することで、品質の確保と作業性の向上が見込めます。
  2. 搬送距離、速度(タクト)
    搬送距離と速度は、タクトタイムに影響を与える重要な要素です。これらを適切に設定することで、全体的な生産効率を向上させることが可能です。
  3. 使用場所の環境、納入(搬入)経路
    使用場所の環境条件(温度、湿度など)や搬入経路の制約は、コンベアの材質や構造の選定に影響を与えます。設置場所に適した耐久性と機能性を持つコンベアを選ぶことが重要です。
  4. 既存装置とコンベア間の移載方法
    搬送コンベアと既存の生産設備が、どのように連携して搬送物を移動させるか検討しなければなりません。物理的な接続の整合性、自動化のレベル、さらに生産ラインのタクトタイムの調整なども含まれます。
  5. 予算
    コンベアの購入費用、設置費用、保守・メンテナンス費用、および電力消費など、導入および運用に関係する経済的要素を慎重に計画する必要があります。

名古屋精工では構想設計、詳細設計、制御設計、製造、試運転調整、据え付け、サポートまで一貫して対応しています。これまでの豊富な実績を通して、お客様の課題に向き合い、ご要望にお応えします。搬送コンベアの導入でお困りでしたら、ぜひ名古屋精工にお任せください。