目次
Toggle1.産業用ロボットとは
産業用ロボットとは、製造業や物流業などで使用する自動化を行うロボットです。高精度で特定の作業を行うために利用されています。
産業用ロボットは、組立、溶接、塗装、搬送、パレタイズなど、多様な作業を自動化し、人手による作業を削減します。また、危険な作業環境での使用に適しています。
2.産業用ロボットの種類
垂直多関節ロボット
垂直多関節ロボットは、複数の回転軸を持ち、関節を垂直または水平に動かすことのできるロボットです。
関節が自由に動くことで、柔軟な動きが可能となり、製品の組み立てや溶接や塗装など、複雑な動作が要求される場面で利用されています。このタイプのロボットは、幅広い可動領域があり、自由度が高い動きを実現できます。
スカラ(水平多関節)ロボット
スカラロボットとは、垂直方向と水平方向を主軸として動くロボットで、構造が比較的シンプルです。ピッキング作業のような、高速かつ高精度な位置決めが必要な場面で使用されます。
スカラロボットはその線形移動能力により、直線的な動作に適しており、繰り返し動作を高速かつ正確に行う必要がある作業に最適です。
直交ロボット
直交ロボットとは、主に3つの直交する軸(X軸、Y軸、Z軸)を基に動作するロボットです。主に自動組立ラインや物流、検査装置などで使われ、線形の動きが中心となります。
直交ロボットは、特に単純作業を効率良く行う場面で使用され、正確な位置決めが求められる工程で役立ちます。
パラレルリンクロボット
パラレルリンクロボットは、複数のリンクとジョイントを持ち、それらが並行して動くことで製品を掴んだり動かしたりするロボットです。この構造により、非常に高い剛性と精度、そして高速で精密な動作が可能です。
部品取り付けや素早いピッキングといった用途で使用されています。
3.産業用ロボットの用途
溶接・塗装ロボット
溶接・塗装ロボットは、製造プロセスにおいて高品質な仕上がりを求められる作業に使用されます。自動車業界などで使用されており、一貫した品質と高い生産性を実現します。
溶接ロボットは、正確な溶接を繰り返し行うことが可能であり、塗装ロボットは均一な塗布が可能です。
組立ロボット
組立ロボットは、精密機械から自動車まで、多岐にわたる製品の組み立てに使用されています。組立ロボットは高速で正確な動きをするため、繰り返し同じ動作を迅速に行う必要のある組立ラインに最適です。
研磨・バリ取りロボット
研磨・バリ取りロボットは、製品の仕上げ工程で使用され、金属やプラスチック製品の表面を滑らかにしたり、製造過程で生じた余分なバリを取り除く作業を行います。これにより、手作業での時間消費と労力を削減し、一貫した品質を保てます。また、作業者を危険な環境から守る役割も果たします。
パレタイズ・デパレタイズロボット
パレタイズロボットは、製品をパレットに積み上げる作業を自動化し、デパレタイズロボットはパレットから製品を下ろす作業を自動化します。これらのロボットは、特に物流センターや製造業の出荷エリアで利用され、労力の大幅な削減と時間短縮が可能です。
ピッキング・箱詰めロボット
ピッキング・箱詰めロボットは、倉庫や配送センターでの商品の選別、梱包作業を自動化するために使用されます。これらのロボットは、商品を掴み、指定された箱や容器に配置します。正確性が高く高速で動作するため、人による作業よりも効率的です。
4.産業用ロボットの導入(ロボット本体以外に必要なもの)
項目 | 内容 |
制御(ティーチング) | 産業用ロボットの導入には、ロボットの動きを正確に制御するためのティーチング作業が不可欠です。ティーチングとは、ロボットに作業手順を教え込むプロセスで、専用ソフトウェアを使用して行われます。これにより、ロボットは特定の動作や作業を自動で繰り返すことが可能となります。 |
ハンド・治具 | 産業用ロボットが動作するためには、対象物を掴んだり操作したりするためのハンド(グリッパー)や治具が必要です。これらはロボットの先端に取り付けられ、特定の作業に合わせて設計されます。例えば、ピッキング作業には吸引パッドが使われます。ハンドや治具の設計は、製品の形状や材質に合わせてカスタマイズされることが多く、作業効率や精度に直結する重要な要素です。 |
安全柵など付帯部品 | 産業用ロボットを安全に稼働させるためには、周囲に安全柵やセンサーなどの付帯部品を設置することが重要です。これらの安全対策は、作業者がロボットの動作エリアに誤って侵入しないようにするためのものです。安全柵は、物理的なバリアとして機能し、センサーは異常検知や緊急停止を自動で行います。 |
5.名古屋精工の製作事例
装置名 | 内容 | 画像 |
デパレタイズハンド | このデパレタイズハンドは、紙袋を吸い付ける「吸着部」と、落下防止用の「アーム部」で構成されています。 吸着部は真空グリッパとスポンジ製パッドを使用し、凹凸のある製品にも追従して吸着可能です。 |
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自動車部品組立装置・ボール圧入装置 | この装置は、直径5ミリの鋼球をワークの通し穴に圧入するための装置です。装置は、ワークの姿勢を変換する「多関節ロボット」と鋼球を圧入する「サーボプレス機」で構成されます。 圧入の目的は、通し穴に流れる液体の経路を確保し、不要な穴を塞いで漏れを防止することです。 |
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デパレロボット | 人が供給していた作業をロボットで自動化します。少々の荷崩れに対してはパンタグラフ式のチルト機構と、動作プログラムによるリトライ機能を付加することで解消します。 | |
ホース曲げロボット | 人手でホースを曲げているため、製品品質が均一にならないという課題がありましたが、クランプ付専用治具使用による製品均一化を提案しました。 |
産業用ロボットを使った設備のご相談は、ぜひ名古屋精工にお任せください。
6.産業機械でお困りでしたら名古屋精工にお問い合わせ下さい
名古屋精工では構想設計、詳細設計、制御設計、製造、試運転調整、据え付け、サポートまで一貫して対応しています。
これまでの豊富な実績を通して、お客様の課題に向き合い、ご要望にお応えします。
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