シート供給機とは
シート供給機は、製造業や印刷業界で一般的に使用される自動化装置です。紙、プラスチック、金属などのシート形式の素材を効率的に供給し、連続的な生産ラインでの作業を支援します。
これにより、素材の供給が確保され、生産効率が向上します。様々なタイプのシート供給機があり、素材のサイズ、厚さ、形状に応じて選択されます。工場やプリント業者などがこれらの装置を導入し、生産プロセスの効率化と品質向上を図っています。
装置概要
本装置は設備にシートを供給する専用機であり、設備の稼働率を高めるため設備を停止させることなくシートを補給する仕組みを実装しています。
まず、シートは16個のマガジンカセットにセットされ、それぞれのマガジンカセット8個ずつが回転円盤の2か所に取り付けられます。
供給中のシートが尽きると、円盤が180度回転し、作業者側に空となったマガジンカセットが現れます。
そこで、作業者は8個のマガジンカセットを取り出し、手作業でシートを補充した後、マガジンカセットを円盤に取り付けます。このように常にシートがセットされているため、シート供給は止まることなく、次工程に連続的にシートを供給できます。
お客様からの要望
現状はシート供給機のシートが1時間で無くなる為、その都度、機械を止めてシート補充の必要がありシート補充中は生産が止まった状態です。
これにより生産性が低下し、効率が損なわれます。機械を停止せずに、次回分のシートを安全かつ効率的にセットしたいと考えています。
既存機と入替設置が出来るようなサイズに納めてほしい。
新規供給機の効果
以前の供給機では、次回分のシートを補充するためには装置に固定されているマガジンが、空になるまで待つ必要があり、シート補充中は機械も停止させる必要がありました。
しかし、新規導入後は、マガジンが空になる前に次回分のシートを補充できるようになりました。
これにより、次工程の中断がなくなり、待ち時間もなくなりました。その結果、生産効率が向上しただけでなく、作業者の安全性と自由度も高まりました。
工夫したこと
- コンパクト化
機械設備のサイズをコンパクトにするために、シート設置部の構造を円盤形にしました。
これにより、自動運転中でも安全かつ迅速にシートの補充が可能になりました。
円盤上に2箇所のシート設置部を設け、180度の回転はモーターで制御し、必要に応じて回転速度を可変できるようにしました。 - シート補充の効率化
まず、設備が稼働中でもシートを補充できるように、ストック用のマガジンを追加しました。さらに、マガジンを固定式からカセット式(装置から取り出し可能)に変更しました。これにより、カセットを取り外して任意の場所でシートを補充できるようになりました。
また、カセットにシートを補充した後、カセットを円盤上の位置決めピンに差し込むことで簡単にセットできる構造を採用し、作業性が向上しました。 - シートの2枚取り防止
薄いシートを吸着で取り出す際に静電気により2枚目が付いてこないよう、除電装置を搭載したり、試作を繰り返し、シートが1枚づつ分離できるような構造にしました。