移載装置 工程の改善事例 品質の安定化事例 手作業の自動化・作業性向上事例 搬送機能付き

ワーク移載装置

ワーク移載装置

ワーク移載装置とは

移載装置とは、さまざまな産業や用途で使用される機械装置の一種で、主な機能は物品や材料を安全かつ効率的に移載、搬送することです。この装置は、人力で行うのが難しい、重い・大きい・高温・低温・高精度・高速などの条件下での作業をサポートし、生産プロセスを効率化して作業者の安全性を向上させます。

装置の詳細

この装置は、直立したワークを前工程から受入れる「搬送機構」と異なる搬送高さを解消する「昇降機構」を備えた移載装置です。
搬送機構では直立した状態でワークの運搬と5個の整列をし、昇降機構では直立状態のワークの金属フタを5個各々で保持して異なる高さの次工程搬送部へ移動させます。

また、ワークはビンで破損の恐れが高いため、転倒検知や不足・衝突を回避する機能を有し、生産性を向上させます。
さらに、小型化したことで工場スペースの有効活用や生産時の効率化・省エネ・コスト削減にも繋がります。

ワーク概要

画像はイメージです

ビン(ガラス容器、中身あり、金属フタ付、シュリンク済、φ50×H70、205g)

お客様からの課題と要望

既存の設備と移管されてくる設備を取込む過程で2つを連結させて1つの製造ラインにすることを検討していましたが、設備同士の高さに違いがあり連結が困難です。

一般的な傾斜搬送システムを使用して連結すると必要な高さを得るためには相応の距離が必要となり、工場のスペースに収まり切らなくなってしまいます。
そのため、省スペースに収まる装置を探しています。

弊社からの提案と技術的ポイント

  • 小型の「ピックアンドプレース」式移載装置を採用
    限られた設置スペースに収めるために、小型の「ピックアンドプレース」式移載機構を採用して異なる搬送高さを解消しました。
    (「ピックアンドプレース」とは、対象物を把持や吸着で持上げて対象物を移動し、定位置でリリースする一連作業のこと。)
  • ワークの整列機構を追加
    前工程から不等間隔で供給される直立状態のワークを1個ずつ移載するとワークの供給間隔にばらつきが生じ、生産に遅れが生じる恐れがありました。そのため、搬送部にアキューム/ストック機構を設け、ワークを整列させて5個まとめて移載することで、この問題を解消しました。
  • 把持式ハンドを採用
    移載時のワークの保持方法として、吸着式ではなく把持式を採用しました。吸着式では、ワークの形状や表面の状態によってはワークが吸着面に密着しなかったり、ゴム的な吸着パッドでは安定性が保てずに落下したりする恐れがありました。そのため、把持式を採用し、安定性を保った状態でワークを保持して落下の恐れを軽減することで生産性の向上を図りました。
  • ワークの倒れ検知を採用
    「ワーク直立」と「開/閉/ワーク把持」の各々の把持動作に確認スイッチを設けることで、ワークの倒れや不具合を検知できるようにしました。この工程は基本的に無人でワーク倒れの頻度は少ないですが、これにより、ワークの再把持や工程停止を必要とするトラブルにいち早く気付け、未然に防ぐこともできるため、生産の遅れ軽減に貢献しました。
  • ワーク同士の衝突防止とタイマー機能を追加
    ワーク同士の衝突を避けるため、後工程から許可が出るまで移載を待機する仕組みを採用しました。しかし、後工程のトラブルなどにより、許可が出ないまま移載待ち状態が長時間続くと、生産の遅れにつながる恐れがありました。そこで、タイマー機能を追加することで、不具合での装置停止と識別できるようにし、生産の遅れ軽減を図りました。

お客様の声

■装置導入前の課題

上流から流れてくるワークを高低差のある次工程に載せ替える際、オペレーターが必要になることが課題となっておりました。

目標とする生産ラインの概要とクライアントの要求
載せ替えを自動化することで経費削減を目指し、自動化でオペレーターの介入がなくなることでミスを減らしてロスの低減を求めておりました。

■設備メーカー(名古屋精工以外)の比較検討はされましたか

長年の取引があり実績のある名古屋精工さんでしたので、比較をせず一択でお願いをさせていただきました。

■名古屋精工を選定した意思決定の際、どのような点を重視されましたか

詳細打合せを何度も実施する事で意思の疎通ができ、いろいろな提案などもしていただき、確実な物が仕上がると感じたため、名古屋精工さんを選びました。

■今回の導入において、どのような効果が表れましたか

一番はオペレーターの介入を省けたことで経費削減になったことです。また自動化したことでミスやロスをなくすことにも繋がりました。

■当社の製品がもたらす価値をどのように評価しましたか

前後装置の仕様や関連する外観・寸法等を入念に確認していただいたことで限られたスペースに収まり、要求したスペックで製作してもらえたので感謝しております。

■装置導入後のサポートはいかがでしたか

装置導入後の動作変更に早急に対応いただき、支障なく生産できております。