微量な振動を検知・確認するための治具
振動試験とは
振動試験とは、製品に振動を与えることにより、製品への影響や耐久性、人が感じる感覚を調べる試験です。
振動試験は、これらの振動が製品に与える影響を評価するために実施され、具体的には以下の項目を評価します。
・振動によって製品が壊れないかどうか
・振動によって製品の性能にどのような影響を及ぼすか
・振動によって人がどのように感じるのか
振動試験で使用する装置には様々な種類があり、代表的なものは以下の通りです。
・振動発生器:製品に振動を与える装置
・振動コントローラー:振動試験を制御する装置
・データ収集装置:振動試験中のデータを収集する装置
振動試験は、製品の安全性を確保するために重要な役割を果たしています。
また、振動試験の結果は、製品の設計改善に役立てることができます。
治具概要
この治具は、振動に対する感覚(触覚)を繊細に調べることでロボットハンドや人工手の開発に役立ちます。
具体的には、触覚センサーを取付けるための固定台と粘弾性の柔軟物を取付けるための固定台、振動を付加する振動発生器を取付けるための固定台で構成されております。
各々の固定台はXY方向に微調整できるため、触覚センサーと柔軟物との直接的な接触具合や位置関係を繊細に保った状態で振動を付加することができます。
あらゆる接触具合や位置関係を振動付加状態で繊細に保てるため、振動と触覚に関する開発に役立つデータを詳細に得ることができます。
お客様からの相談事
振動と触覚に関するデータを集めるために、治具を製作してほしいと相談を受けました。
お客様からの3つの相談事
- センサーと柔軟物を固定して接触させることができる治具がほしい。
- センサーと柔軟物の接触具合や位置関係を繊細に調整できるようにしてほしい。
- 将来的にセンサーと柔軟物の接触向きを変えることができるようにしてほしい。
弊社からの提案
お客様からの相談事について提案したこと
- センサーと柔軟物の固定
各々専用の固定台を設けました。
固定をボルトで強固にしたことで振動の影響はなく、容易に着脱ができます。 - 繊細な微調整
送りねじ式の高精度ステージを設けました。
送りねじ部には目盛が付いているため、1/100mm単位での微量な調整量を目視できます。 - 接触向きの変更
ベースにねじ穴ではなく網目状の溝を設けました。
網目状の溝とすることで、固定台の取付位置を自由に変えることができます。
お客様からの評価
要望通り機能を満たした試験用治具で、将来的な形状変化を考慮した安定感のある網目状のステージは自由度も高く扱い易いと高い評価をいただけました。
弊社からの一言
- 繊細な試験で使用されるため、本治具のベース上に取付いている部品の処理は、表面の変色や腐食を防止でき耐摩耗性を向上できる白色アルマイトです。
- 弊社はその他、摩擦を軽減できるテフロンコートや耐久性を向上できる溶射等の特殊な処理の取扱いも行っております。