専用機開発の全て:設計から製造までの流れと発注先の選定

専用機は汎用機とは違って開発の段階からお客様と打ち合わせをして進めていきます。
開発の流れを理解することで、自社の工程を改善するためにどのような専用機の仕様や運用が必要なのかを理解できます。

この記事では、専用機とは何か、専用機開発のメリットとデメリット、課題、そして専用機開発の設計から製造までの具体的な流れについて解説します。また、発注先の選定方法や導入後の注意点についても解説します。

専用機とは、特定の目的や用途に特化した機械のことを指します。汎用機はメーカーが販売している完成された機械です。安価ですが、機能が多いため過剰スペックになる場合があります。

専用機は汎用機とは異なり、特定の作業や処理に最適化されています。汎用機に比べてコストが一般的には高くなりますが、特定の作業の効率や品質を上げることができます。

専用機の種類としては、搬送機や加工機、組立を自動化する装置や、洗浄機、検査機、梱包を自動化するシステムなどさまざまです。

専用機のメリットとデメリット

専用機のメリットは、品質向上や安定化、生産性向上、人件費削減などです。
また、専用機はあらかじめ決められたスペースに収めることができるので、工程のレイアウトを整理しやすいです。
必要な機能のみ開発するため、過剰スペックになりにくいという利点もあります。

一方で、専用機のデメリットとしては、設計費用や部品のコスト、完成までに時間がかかる、汎用性がない点があげられます。
また、他社であまりやられていない技術を用いるため、故障時の処置が難しい場合があります。
部品の調達にも時間が必要で、保守に時間を要する場合もあります。

2.専用機開発の課題

専用機開発にはいくつかの課題が存在します。

特定の作業に最適化された専用機を作るためには、要望を正確に伝える必要があります。
しかし、他に似たような機械がないため、要望を伝えるのが難しい場合があります。
どのような作業を自動化したいのか、専用機の機能はどうなっていればよいのかなどを具体的に示すには専門の知識が必要です。

また、専用機が実際に要望通りの機能を果たせるのかという不安も生じることがあります。
より高機能な専用機を求めて仕様を追加していくと、専用機の開発コストが増加する可能性もあります。

3.専用機開発の設計から製造までのプロセス

専用機開発の設計から製造までのプロセスを解説します。

1.ヒアリング

専用機開発の最初のプロセスは、ヒアリングです。
ヒアリングは最も重要なプロセスであり、ヒアリングの質によって提案内容が変わってきます。
ヒアリングでは、装置導入の目的や仕様、課題などを確認します。

2.構想提案

ヒアリングをもとに、構想提案が行われます。
構想提案では、専用機の概要や仕様をお客様に提案します。
構想提案のプロセスで、専用機の機能は、ほぼ決まるといえます。

3.見積りとご契約

構想提案が受け入れられた場合、見積りと契約に進みます。
具体的な価格の提示や契約条件の調整が行われ、契約します。

4.設計

構想をもとに、詳細な設計が行われます。
設計プロセスでは、専用機の構造や部品の選定、制御システムの設計などが行われます。

5.製造

設計が完了したら、製造工程に入ります。
部品の加工や組み立て、ソフトウェアのインストールが行われます。

6.試運転確認

製造が完了したら、試運転が行われます。
専用機の動作確認やバグ取り、精度の確認、耐久確認などが行われます。

7.出荷前検査

試運転確認が終了したら、お客様立ち会いのもと出荷前の検査が行われます。
専用機の機能や品質が仕様を満たしているかをお客様と一緒に確認します。

8.納品・据付

出荷前検査で問題がなければ納品され、導入先にて据付が行われます。
据付後にトライアル運転が行われます。お客様へ操作方法の説明なども行います。

9.サポート

専用機の導入後は、保守メンテナンスやトラブルシューティングなどのサポートが提供されます。

4. 専用機開発の発注先の選定方法

専用機開発の発注先を選定する際には、以下のポイントに注意することが重要です。

1.構想提案の質

システムインテグレーターの、信頼と実績を確認しましょう。

構想提案の概要および仕様が、自社の要求と合っているか確認します。
また、必要な予算が検討されており漏れがないか、妥当なコストを提示してきているかを評価します。

2.デザインレビューの頻度

発注先とのコミュニケーションやデザインレビューの頻度も重要です。
あまりに頻繁にレビューがあるのもよくないですが、手戻りが発生しないように重要な仕様が完成したタイミングなどではレビューするべきでしょう。
スケジュールの検討や進捗管理がきちんとなされているか確認します。

3.動作確認の内容

導入後の動作確認やトライアル運転の内容を確認します。
正常な動作や要求する仕様が確認できるテストであることはもちろん、予期せぬ操作をした場合の安全対策など十分なテストと評価を行う計画になっているのか確認します。

4.導入後のフォロー体制の確認

専用機導入後のサポートや保守メンテナンス体制についても確認しましょう。
トラブル対応やアフターサービスが円滑に行われるかどうかを事前に確認します。

5.導入後の注意点

専用機を導入した後は、専用機を適切に運用して効率的な生産を行うようにします。
安定して生産するために、定期的な保守メンテナンスを行い、専用機の品質を維持しましょう。
専用機の運用について継続的な改善を行い、生産性が上がるようにします。
また、専用機で扱う商品が変更になった場合は、早めに改造や新規開発を依頼しましょう。

6.名古屋精工の実績

名古屋精工は、業界などのジャンルにこだわらずにさまざまな専用機を製造してきました。おもな事例を紹介します。

・工程の改善、安全性向上
ワーク印刷機、デパレタイズハンド、ピン打込機、シート供給機、導通検査装置、デパレロボットなど

・段替えレス
ワーク搬送装置、樹脂材塗布機、ガントリーローダー、自動車部品搬送、姿勢変換装置など

・品質安定化、検査機能
樹脂部品組立検査治具、クリップ組立治具、振動試験装置など

・手作業自動化、作業性向上
姿勢変換装置、製品ストッカー、デパレロボットなど

7.名古屋精工のこだわり

徹底的なヒアリング

実際に専用機を導入する現場へ訪問し、今の作業内容の確認とお客様が改善したい作業内容について詳しくヒアリングさせていただきます。
ヒアリング内容からベストな解決方法を提案いたします。

徹底的なデザインレビュー

名古屋精工は設計担当だけではなく、営業や製造部門も含めた案件専用チームを作り、アイディア出しからデザインレビューまで実施します。
既存の設備との連動や効率的な動作方法を考慮して設計を行います。
また対象の製品に変更が入った場合でも対応できるように汎用性を持たせつつも、メンテナンスしやすい構造にするなど細かくチェックします。

徹底的な生産管理

ISO9001に基づいて品質管理を行うと共に、ISO14001に基づいたCSRにも重点を置いています。
自社工場だけでなく国内外にさまざまな協力工場があり、最適なQCDを管理して調達します。

徹底的な動作確認

実機ができた段階で徹底的に動作確認を行います。
正しく動作しているかだけでなく、操作しやすいかどうかもチェックします。
名古屋精工は、使う人の立場に立ったものづくりを行います。

8.名古屋精工にお問い合わせください

名古屋精工はお客様が解決したい課題に徹底的に寄り添って、最適な専用機を提案いたします。

興味をお持ちの方はお気軽にご相談ください。