ロボットを使った専用機 工程の改善事例 手作業の自動化・作業性向上事例 搬送機能付き 把持機能付き(ロボットハンドなど)

デパレロボット

パレット上の紙袋(25kg)を真空吸着ハンドで把持、下流の開袋機へ供給するデパレロボットシステム

デパレロボットとは

デパレロボットとは、パレットに積まれた荷物を自動で取出し、仕分けや搬送を行うロボットのことです。正式には「デパレタイズロボット(Depalletizing Robot)」と呼ばれ、物流倉庫や製造工場などで活躍しています。従来、人手で行っていた重労働を代替することで、作業者の負担を大幅に軽減し、労働環境の改善や作業効率の向上に貢献します。

近年、深刻な人手不足や高齢化といった社会課題に直面する中、デパレロボットへの注目が急速に高まっています。AIや画像認識技術と連携し、箱のサイズや形状、積み方が異なっていても柔軟に対応できるため、現場への適応力も高く、導入のハードルが下がってきています。また、24時間稼働が可能なため、作業の自動化・無人化を実現し、コスト削減や業務の安定化にもつながります。

これまで人の手でしかできなかった「目で見て判断し、適切に荷物を扱う」という作業を担えるようになったデパレロボットは、物流の未来を担う存在です。今後もさらなる進化が期待される、注目の技術です。

装置の概要

本装置は、パレット上に積載された紙袋(サイズ:900L×500W×200H、重量25kg)を、ロボットアームに搭載された真空吸着ハンドで1袋ずつ自動で把持し、下流に配置された開袋機へ供給するデパレタイジングロボットシステムです。紙袋の位置や高さはセンサーやカメラで検出され、正確な吸着位置をロボットが自動補正します。1袋あたりの処理タクトは20秒で、安定した速度での連続搬送が可能です。真空吸着ハンドは多点吸着構造となっており、袋のたわみやズレにも対応し、確実な把持を実現します。本システムの導入により、重量物の繰り返し作業を自動化でき、作業者の負担軽減、安全性向上、ならびに生産ラインの省人化と効率化を図ることができます。また、パレットパターンの変更や開袋機との連携制御にも柔軟に対応可能です。

お客様の課題

作業員が手作業で袋を供給しており、特に重量物の搬送においては長時間にわたる作業が発生し、身体的な負担が大きいという課題を抱えています。そのため、作業者の労働環境の改善が求められており、同時に人的リソースの制約から、供給能力にも限界がある状況です。今後の生産性向上や安定した運用を図る上でも、作業の自動化や効率化が喫緊の課題となっています。

弊社からの提案と技術的ポイント

搬送中に発生する可能性のある軽度な荷崩れに対しては、パンタグラフ式のチルト機構を採用し、さらに動作プログラムにリトライ機能を組み込むことで、安定したハンドリングを実現しました。これにより、高い信頼性と作業の自動化を両立し、現場の効率化と省人化に貢献しました。

弊社から一言

本事例のように、現場の課題に寄り添いながら最適な自動化ソリューションを提案・実装していくことが、私たちの使命です。人手不足や作業者の負担軽減といった社会的課題に対して、単なる省人化ではなく、信頼性・柔軟性・安全性を兼ね備えたシステムで応えることを重視しています。今後も、お客様ごとの現場環境やニーズに最適化されたロボットシステムを通じて、生産性の向上と持続可能なものづくりに貢献してまいります。お気軽にご相談ください。